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話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選

2022.12.31 Sat
毎年恒例企画です...が今年はどうにも時間が取れず省エネ仕様で失礼します...

ルール
・2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

その着せ替え人形は恋をする編集する 第8話 「逆光、オススメです
脚本:冨田頼子
絵コンテ・演出:川上雄介
総作画監督:中村真由美
作画監督:小林恵祐

明日ちゃんのセーラー服 第7話 「聴かせてください」
脚本:山崎莉乃
絵コンテ・演出:Moaang
作画監督:川上大志

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック- 第13話 「「二つの告白」後編」「秀知院は後夜祭」
脚本:中西やすひろ
絵コンテ:畠山守
演出:飛田剛、菊池貴行
総作画監督:川上哲也、晶貴孝二、八尋裕子

BIRDIE WING -Golf Girls' Story- 第12話「葵とイヴで大丈夫? 開催、ダブルス選手権」
脚本:黒田洋介
絵コンテ・演出:辻橋綾佳
総作画監督:高橋晃
作画監督:高橋晃、遠藤香

リコリス・リコイル 第4話 「Nothing seek, nothing find」
脚本:神林裕介
絵コンテ・演出:竹内哲也
総作画監督:鈴木豪、晶貴孝二
作画監督:竹内哲也、神本兼利

ちみも 第10話 「ダイエット地獄」「はじめてのおつかい地獄
脚本:ぴのあると
絵コンテ:釘宮洋、藤原良二
演出:ぴのあると
作画監督:堤舞

ぼっち・ざ・ろっく! 第6話 「八景」
脚本:吉田恵里香
絵コンテ・演出:藤原佳幸
ライブ絵コンテ・演出:川上雄介
作画監督:けろりら、冨田真理

4人はそれぞれウソをつく 第8話 「半蔵の挑戦
脚本:清水恵
絵コンテ:及川泰一
演出:五月女有作
総作画監督:水谷麻美子、佐々木敏子、中村統子

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- 第4話 「DIYって、どこでも・いごごち・よくなるよ
脚本:筆安一幸
絵コンテ・演出・作画監督:米森雄紀

ヤマノススメ Next Summit 第12話 「行こう! 新しい頂きへ」
脚本・絵コンテ:山本裕介
演出:重原克也
総作画監督:松尾祐輔
作画監督:牧茶、髙橋瑞紀、松尾祐輔



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話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選

2021.12.31 Fri
ついに10年目の大台に突入!の毎年恒例企画です.

ルール
・2021年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

ウマ娘 プリティーダービー Season 2 第10話 「必ず、きっと」
脚本:米内山陽子、永井真吾
絵コンテ・演出:種村綾隆
総作画監督:椛島 洋介
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みんなこの回は選びそうだなーって思うけどでもこの回を入れないことには始まらないでしょう!この話でテイオーとターボを絡める展開提案したのは及川啓監督らしいし及川啓監督がいなかったらウマ娘アニメ1期はどうなってたのか、アニメ2期はあったのか、ゲームは作り直しになっていたのか…そう考えるとウマ娘ヒットのキーマンって割と真面目に及川啓監督と1期のいとうPなのではと思ったりします。2021年の圧倒的覇権コンテンツのアニメ作品という重い称号に一切恥じない出来が良すぎるアニメでした。しかし、この話の冒頭にもちゃんとヒナまつりネタを入れてくるあたり本当に及川啓監督ヒナまつり好きだなと。

ゆるキャン△ SEASON2 第9話 「冬の終わりと出発の日」
脚本:田中仁
絵コンテ:京極義昭
演出:ながはまのりひこ
総作画監督:佐々木睦美、渡邉亜彩美
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ド派手な要素をほとんど盛り込まない地に足ついた作品だからこそ「日常に存在する普遍的幸せ」のドラマへの落とし込み方が素晴らしいのがゆるキャン△の良さだと思います。アニメ第2期は第1話に過去の親とのキャンプを持ってきているところからもあらゆる点で第1期に比べて家族とは、を強く意識した構成になっていると思いますがその1つの集大成がこの話じゃないでしょうか。とにかく良い、良い。(語彙不足)多くを語らず映像で万人の日常の中にある感動をしっかり描けてるところがゆるキャン△が日常アニメファンを枠を超え多くの人に愛される所以なのだろうなと思いました。

スーパーカブ 第6話 「私のカブ」
脚本:根元歳三
絵コンテ:平池芳正、相浦和也
演出:相浦和也
総作画監督:齊藤佳子、井上英紀
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ロマンの塊!自分もこんなことやってみたかった!(免許持ってないけど)修学旅行なんていう人生でも1回2回しかないようなイベントでこんな大きな挑戦に出るなんて間違いなく一生モノの思い出ですよね、青春〜〜〜〜〜!!長距離ツーリングで未知なる場所を旅するワクワク感、本来やっちゃいけないことに手を出すアウトロー感、他のクラスメートと群れず親友と2人で作る思い出全てがあまりに眩しすぎる…眩しすぎるよ!!!

戦闘員、派遣します! 第10話「キサラギ幹部、配信します!」
脚本:重信康
脚本協力:暁なつめ、菅原雪絵
絵コンテ:高田耕一
演出:久保太郎
総作画監督:諏訪壮大、藤井昌宏
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赤城博昭監督作品の特徴って作品の後半に「これまで見てくれた人へのご褒美回」を入れる点かなと思います。ひなろじだと11話とか、原作ものの高木さんでもクリティカルみたいな人気回を11話のタイミングに入れてたり。「戦闘員」におけるそのポジションの回がこの回。本筋は終盤なのに話の本筋なんにも関係なくこれまで1話の序盤と予告でだけずっと出てた秘密結社幹部メンバーがほぼずっと他愛をないことを駄弁ってるのを眺めるだけの回、こんな回をこのタイミングで入れてくる勇気!しかも原作者協力のほぼアニオリ回!けど作品見てる人からするとこの回は嬉しさしかないんですよね、今まで本編で見れなかった幹部メンバーのキャラの魅力を30分の中にこれでもかと詰め込まれててこれが見れることでのカタルシスが生まれるほど。ああずっとこの作品ここまで見てきてよかったなと。赤城博昭監督作品らしさが詰まった徹底したサービス精神が光る最高のサービス回でした!

ましろのおと 第1話 「寂寞」
脚本:加藤環一
絵コンテ:赤城博昭
演出:村田尚樹
演奏シーン絵コンテ・演出:宇根信也
総作画監督:真島ジロウ、依田正彦、近藤奈都子、川島尚
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1話を入れるのはずるいという謎のポリシーであまり1話は入れないようにしてるんですけどこの1話はあまりに衝撃的すぎた!今年1番インパクトのあった1話。とりあえずビジュアルとかでなんとなく避けて見てない人は1話だけでも見てほしい。途中から真っ当な文化部アニメにシフトするけどそっちは割と真っ当に面白く、赤城博昭監督の新境地が見えた作品でもありました。

ラブライブ!スーパースター!! 第11話 「もう一度、あの場所で」
脚本:花田十輝
絵コンテ:誌村宏明
演出:遠藤広隆
総作画監督:斎藤敦史、佐野恵一、冨岡 寛
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映像的に一番好きなのはプリチャンでもおなじみの大型新人演出家大島克也さんがコンテ演出してる9話だったりするんですがシナリオ加点が強すぎるのでスーパースターから1話選ぶとこの話になっちゃいますかねーーーやっぱ。普通ならAパートの「1人だと今は歌えなかったけど今は隣に仲間がいるから歌えるめでたしめでたし」で十分話しとして成立してるしそこで終わっても別に全然おかしいじゃないじゃないですか。けどそこであえてセオリーを外してBパートで急激に話が加速して斜め上の予想を裏切り期待を裏切らない解決へと向かっていく話の流れが素晴らしく気持ちいいんですよねこの回。この話が描けるのは間違いなく宇宙よりも遠い場所の脚本家花田十輝先生だけだぜ!そしてこの話に説得力を持たせる伊達さゆりさんの圧倒的演技力歌唱力に天晴。この話のシナリオ、伝説の1stシングルリリイベはもちろんLiella!のキャスト決定前には完成してたと思うのでここまでリアルとアニメでリンクを生み出せるラブライブ!スーパースター!!、みんなで叶える物語であり私を叶える物語…つまり最強のラブライブ!

ひぐらしのなく頃に業 第19話 「郷壊し編 其の弐」
脚本:ハヤシナオキ
絵コンテ:川口敬一郎
演出:間島崇寛
総作画監督:渡辺明夫、岩崎たいすけ、柳沢まさひで
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ひぐらしのなく頃に業・卒とは一体何だったのか、その作品全体構造がついに明らかになる話。1話の中で沙都子が魔女化してしまうまでの決定的な事件に強い説得力を持って描ききっていてお見事。物理的にグロテスクな描写の多かった本作ですが19話〜20話では徹底的に大人になれない沙都子を残酷なほどに描く中で視聴者の精神を揺さぶってきててひぐらしってこういうのもありなんだ!と見ててとてもテンション上がったのを覚えています。あと今回は一応業・卒で1作品としてるけど分けたら卒14話も10選に入れてたであろうくらい好きな話です。既存のひぐらしファンの間では相当賛否が別れている印象のあった卒14話と15話ですが私はひぐらしにさほど思い入れもありませんしとことんエンターテイメントに振り切る形で梨花と沙都子の衝突を描いたラストバトルは素直に最高だったでありまする!

はたらく細胞BLACK 第3話 「興奮、膨張、虚無。」
脚本:森ハヤシ
絵コンテ:山本秀世
演出:藤代和也
総作画監督:安彦英二、氏家嘉宏
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かつてどこに成人男性が勃起し射精するだけの話に1話丸々使う30分アニメがあっただろうか?はたらく細胞が人気出たときにあんま面白いと感じない視聴者が感じた「こんなはたらく細胞なら面白そうなのに」の形がはたらく細胞BLACKなのではないでしょうか。色々あるらしいはたらく細胞スピンオフの中でも相当尖ってるであろうこの作品を30分1クールでアニメ化しようと企画を立てた鬼滅の刃の仕掛け人アニプレックス高橋ゆまプロデューサーには脱帽です。そしてこの話を映像化し電波に載せるためわざわざ3話と4話だけ深夜に放送枠確保したり、偉くなるといろいろできるんだなあとか思いました。

ゾンビランドサガ リベンジ 第11話 「たとえば君がいるだけで SAGA」
脚本:村越繁
絵コンテ・演出:宇田鋼之介
演出助手:五十嵐季旺
総作画監督:崔ふみひで、桑原幹根、山口仁七
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去年、実在の大地震と大規模停電を題材に描いた「波よ聞いてくれ」最終回を選出しましたが、未曽有の大規模自然災害の中でも前も向き頑張る話というのはやはり勇気が貰えるなと改めて思いました。1期以来ゾンビランドサガは人の死と笑いの距離感を強く意識した作りで、人の死が絡む場面でしみったれた暗い雰囲気になるのは違うのではないか、かといって別に茶化すわけでもないというバランスで笑いと感動を生んできた作品ですが、この話の中では大災害の中でも同様の価値観が発揮されていると思います。このバランスは理詰めで到達できるものではなく、シリーズ構成の村越さんのセンス合ってこそだと思います。

SSSS.DYNAZENON 第12話 「託されたものって、なに?」
脚本:長谷川圭一
絵コンテ:雨宮哲
演出:下平佑一
総作画監督:坂本勝
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前作「SSSS.GRIDMAN」を見たときに思ったことは「雨宮哲監督メカとか出さなくていいから学園ものの純愛系の作品作ってくれないかなー…」でした。雨宮哲監督の「学校の水道の蛇口の上に放置されている飲みかけのMATCHのペットボトルが最高」的な感性が強く出た学園フィルムとグリッドマンのメカパートが噛み合ってなかったし、ストーリーの中でのキャラクターの掘り下げや関係のエピソードもはっきり言ってイマイチだったのでキャラクターデザインの良さと日常の描き方とメカパートとが全部チグハグになってる感が否めない作品だったと個人的には思っています。そして今作ダイナゼノンではこの各要素のまとまりが抜群に良くなっていたのではないかと思います。正直メカパートはあまり興味なかったりはするのですが、メカパートと日常パートの関係性や各キャラクターのエピソードの掘り下げ方など、本当に前作と同じ制作体制かよ!?ってくらい良くなってた。そして何より1クールを通して蓬と夢芽の関係を描いてくれたことが嬉しかった。なので最終回Bパートを使ってじっくりそれを描いてくれた最終回を選びたいと思います。文化祭というイベントのあらゆる描写を通して2人のクラスでの立ち位置が分かるようになってたりまさに雨宮哲監督の得意分野が光りまくったパートだと思います。前作に比べると少し地味目なデザインの2人ですがそれがキャラの温度感、物語で描いてる内容とも合ってるしこの2人をメインに走りきったことがダイナゼノン最大の功績と言っていいかもしれません。そこに感謝をしつつけどやっぱあんまメカ興味ないので雨宮監督にはもっとガッツリした学園モノ作って欲しいと思ったりもします。(直近で全話見たので感想が長い)



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話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

2020.12.31 Thu
今年で9年目の毎年恒例企画です.

ルール
・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!! 第4話 「No problem!!」
シナリオ:渡邊大輔
絵コンテ:名村英敏
演出:山本貴則
総作画監督:伊藤晋之
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2020年最強の女女アニメと名高い名作ですが個人的には頭抜けてこの話が好き。普通になりたい少女と特別になりたい少女の話、友達とは一体何か、秘密のノートから始まる秘密の共有…うーんこういうの大好き!!!!(語彙不足)最初から最後まで会話の掛け合いのセンスが秀逸で良さに溢れてるんですよこの回。デルミンユフユ回ですがましゅまいメンバー4人全員の魅力が詰まりまくってて最高ですよね。自宅のドアを壊されたマシマヒメコさんも好き。話を通して4人の解像感が一気に高まった回なんじゃないかなと思います。この話に対する好きはどこ由来かって考えると多分花田十輝脚本作品だと思うんですよ。表に出てくる花田十輝脚本作品のない2020年でしたがましゅまいの特に渡邊大輔脚本回はJUKKI指数が高くてとてもよかったですね。

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~ 第7話 「かぐや様は脱がせたい」「かぐや様は出させたい」「白銀御行は読ませたい」「かぐや様♡アクアリウム」
脚本:菅原雪絵
絵コンテ・演出:池田愛彩
総作画監督:針場裕子
少女漫画脳パートキャラクターデザイン・総作画監督:安田京弘
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1期の頃はちゃんと見てなかったけど2期最初流し見してたら何これめっちゃ出来いいじゃんと1期見返し&原作まで買ってしまった今作。全般がブラッシュアップされてめちゃくちゃ高水準だった第2期ですがひたすらギャグに振り切った勢いの良さが光りまくってたこの回を選びたいと思います。第6話でいい感じの流れで伊井野ミコが生徒会加入した次の回に3連続でミコがドン引きするオチのギャグ話を3つ並べる構成が綺麗でいいですよね。ほぼ引いてるだけだけどミコの新しい面が見れてこのへん原作からいじってるので上手いと思います。この話に限らずですが画面がすごい端正で綺麗で、けど中身は割としょうもないというのがいい。Dパートの少女漫画脳パートも専用楽曲用意してキャラデザも変えて全力でやっている感じがしてとてもいい。A-1 Picturesかぐや様班のこの原作を最高のアニメにしようという現場の士気と愛の高さが伝わってきます。ちなみに僕個人の2020年このアニメの画作り(キャラデ作画色彩美術撮影)が理想はかぐや様2期です。3期も既に決定していて楽しみですね!

恋する小惑星 第4話 「わくわく!夏合宿!」
脚本:平牧大輔
絵コンテ:平牧大輔
演出:由井翠
総作画監督:山崎淳
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これが全話できてたら2020年最強アニメーションだったまである。やっぱ真面目系文化部アニメは最高だな!
夏合宿を経て新たな経験をするメンバーたち、新たな夢を見つけるイノちゃん、全てがエモーショナルにキマってて最高。実写加工素材を利用した実在施設の描かれ方もよかったですね。
恋アスという作品全体を見ると特に後半構成が駆け足すぎるとかきらら的ノリが邪魔とか個人的には結構イマイチに感じてしまう点があり惜しいというのが感想なのですがこの回は1話の中での構成も綺麗にまとまってて文句なしに好きですね。こういうアニメが見たかった。

群れなせ!シートン学園 第8話 「海の吟遊詩人 -カナとルカの話-」
脚本:福田裕子
絵コンテ:信田ユウ 
演出:大島克也
総作画監督:酒井孝裕
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「女子高生の無駄づかい」に続き大人向け作品での福田裕子脚本最高だな!枠。
1話の中でメインキャラ(料理部)とゲストキャラであるシロイルカである白海カナとの出会い、そこにある課題提示と解決までのドラマの描かれ方がとても綺麗で福田裕子さんの女児アニメでの女の子の人間ドラマの経験豊富さが遺憾なく発揮されていてその噛み合い方がとても気持ちいい。後半のメロン体交響曲に合わせたショーパートの映像の華やかさも素晴らしく鮮やかで圧巻の映像でのカタルシスの描き方はアイドルアニメのそれにも近かったかなと。プリの福田脚本にはクドさを感じがちな最近ですがこういう感じの福田脚本はやはり最高。演出の大島克也さんの仕事は今後も注目したいです。

ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第7話 「ハルカカナタ」
脚本:平林佐和子 
絵コンテ:河原龍太 
演出:尾上皓紀 
ダンスパート絵コンテ・演出・作画監督:中山直哉
総作画監督:横田拓己、冨岡寛、渡邊敬介
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最終回が最高のその先に行ってることは言うまでもないので個人エピソードとして一番好きなこの回を。脚本担当の平林さんは11話の脚本も担当されているですが展開のアクセルの踏み方がシリーズ構成の田中仁脚本と違って面白いと思うんですよね。えっこんな踏み込んだ展開になるのまじか!?っていう。近江彼方さんの6話までの描かれ方ってよく寝てるまったりキャラ以上を見せることはほとんどなかったので個人回も何やるんだろうなーって思ってたのですが7話はまず冒頭から校外でのバイトや家での様子などでそれまでの話数との「ギャップ」が強く描かれててまずここで衝撃を受けるんですよね。そして6話までギャグ的処理をされていたよく寝ている背景にあった実は重い背景事情がここで初めて明かされる。その衝撃が冷めないまま遥とのすれ違いが描かれ状況の深刻さがどんどん増していくシナリオの攻め具合が「虹ヶ咲」全体が持つカラッとした雰囲気と違っていてとても印象的なんですよね。そしてダンスパート「Butterfly」がお見事!中山直哉さんによる劇エモ演出はシネスコの利用、平面的カット構成など他の回のダンスパートと全くアプローチが違いここでも異質さが出てるんですよね。この曲に中山直哉さんを起用しようと言い出した人のセンスが良すぎてびっくりする。虹ヶ咲に総じて言えることとしてこのへんのセンスの良さが異常にいい。この回で見せようとした「近江彼方」があらゆる面でとても綺麗にキマっていて良かったですね。天晴!

波よ聞いてくれ 第12話 「あなたに届けたい」
脚本:米村正二
絵コンテ・演出:南川達馬
作画監督:岡﨑洋美、粕川みゆき、神谷美也子、高橋あやこ、徳永竜志、冨吉幸希、久松沙紀、吉田雄一、吉山隆士
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「ラジオ」を題材にしたアニメとしてここまで完璧な最終回があっていいのか!!!2018年秋にこの作品の舞台となっている北海道で実際に発生した胆振東部地震をモデルに物語が描かれているんですがこのアニメの制作初期って多分18年秋より前だと思うんですよ。つまり初期案の最終回はおそらくまた違う形だった。制作の途中に舞台で発生した大災害、そこでラジオという媒体を描く作品で何を表現するのか、触れるとしても安易に描くことは当然出来ないわけで描写することへの大きな「覚悟」が感じられました。そして災害発生時においてラジオの役割とは何なのか?純粋に情報を発信することなのか?という問に対する回答の出し方がすごくいいんですよ。ぜひ見てその良さを感じでほしいです。お見事!
余談:「波よ聞いてくれ」って「虹ヶ咲」と同じサンライズ第2スタジオ制作なんですが「虹」の全てが最終回ラストの挿入歌パートに詰まっているように「波」も作品の全てが最終回ラストの挿入歌パートに詰まっていたと思います。1クールでもこうやって最後の余韻を大事にしてくれる作品は大好きです。

ミュークルドリーミー 第10話 「雨ふりねぶそくゆめちゃん」
脚本:今千秋、稲葉央明
絵コンテ・演出:髙木啓明
総作画監督:藤井昌宏
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ミュークルドリーミーから1話選ぶのって無理だと思うんですよ、レベル高すぎて。特に神回と言われやすいのは第28話「まいらマイラブ♡」な印象でやはり大変素晴らしい回なのですがここはあえてミュークルドリーミーの中でもちょっと異質でかつめちゃくちゃ出来の良いこの回を選んでみたいと思います。この回の特徴はまず企画協力としてクレジットされている今千秋監督が脚本に参加している点があります。その影響か全体を通してコメディテイストの強いこの作品の中でもちょっといつもと違う学園ラブコメの雰囲気が随所に出ている回でもあります。特に本編ラストのゆめと朝陽のシーンなんかは他の回じゃ見れない雰囲気が出てて印象的です。みなさん御存知の通り(?)ミュークルドリーミーは途中まで今千秋監督作品として制作が進んでいて途中から桜井弘明監督に交代した(以後関わってないというわけではなさそう)経緯があるのですがもし今千秋監督体制で進んでいたらこんな感じの回がもっと見れたのかなとミュークルドリーミーifに思いを馳せながら見てしまいます。絵コンテ・演出を髙木啓明さんが担当しているのもまた「ちょっといつもと違う雰囲気」を出していると思います。ベテラン勢が多いミュークルの中でも髙木さんは数少ない若手演出家の1人で、若手だからこその攻めた凝った作りこまれたカットが多いのも特徴です。名探偵コナン演出界隈では既に有名人らしい!髙木啓明さんの今後の仕事にも注目していきたいです。

イエスタデイをうたって 第6話 「ユズハラという女」
脚本:田中仁
絵コンテ:田中雄一
演出:藤原佳幸、金成旻
総作画監督:吉川真帆
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話の雰囲気がすごい好き。(語彙消滅)ユズハラという場を動かす新登場の女とヒロイン2人揃ってみんなおもしれー女だなと思った。相当リアルに寄せた雰囲気の中でどこまで雰囲気壊さず漫符的表現ができるかの限界に挑戦した藤原監督的こだわりの見える画像の修羅場カット、いいよな。

体操ザムライ 第4話 「ザムライ娘。」
脚本:安藤えりか
絵コンテ:森本育郎
演出:まついひとゆき
総作画監督:本田敬一
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体操ザムライの一番の魅力ってやっぱレイチェルというキャラクターに詰まってると思うんですよ。アニメアニメしてない感じですごいしっかりしてる小学生キャラってなかなかアニメ作品で見る機会が少ない。アニメの中で小学校がこういう描かれ方する作品も結構少ない。ホームドラマの中で出てくる学校ってのは学園ものとまた違った独特の雰囲気がありますよね。これ書いてて思ったけど「少年メイド」もこんな感じだった気がするかな。4話の一番の名シーンはレイチェルブチギレ長台詞パート、セリフの強さと本泉莉奈さんの力のこもった演技がとにかく圧巻で素晴らしい。この長台詞の力強さ「よりもい」11話も思い出す。それ以外もレイチェルの台詞1つ1つに良さがあってセンスがいい。えっ!?この話の脚本を担当された安藤えりかさんは現役のMAPPAの制作で今回が初脚本だって!?構成の村越さんのフォローもあるんだろうけどそんなの信じられんくらいよくできた話だしこの人の今後の仕事には注目したいですね!こういう作品を出してくるからMAPPAのことは嫌いになれない。

遊☆戯☆王SEVENS 第14話 「ロミン’sキッチン」
脚本:山口宏
絵コンテ・演出:いまざきいつき
総作画監督:福島勇
作画監督:長尾浩生
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体操ザムライとは逆にアニメアニメした小学生。とにかくロミンちゃんがかわいいだけの回を作ろうという尋常じゃない熱意が感じられた回。単独作監の長尾浩生さんが相当頑張ってる気がしてその熱意を買って10選入り。ロミンちゃんのキャラ作画が気合入ってたかわいかった以上の感想は多分必要ない、ツッコミどころは遊戯王SEVENSらしく大量にあってとても楽しい回です。ところで最後のカレーの海オチは山口宏脚本的にロザリオとバンパイアオマージュだと思ってるけどどうなんですかね!?

今年1年は社会全体がそうであったようにアニメ業界も新型コロナウイルスの影響を強く受けた1年だったと思います。目に見えやすい形ではTVアニメの放送延期、劇場作品の公開延期が大きいですが制作現場に与えた影響はそれ以上だと思います。アニメのアフレコ現場はブース内人数を制限して複数回に分けて別録りをすることが当たり前になったといいます。これによって特にキャラ数の多い作品ではキャラクターどうしの掛け合いを上手く演るのが相当難しくなったのではないでしょうか。そして脚本演出作画等の打ち合わせではオンライン打ち合わせが増えたと思います。これはすべてが悪いと言い切れないのですが脚本会議の現場で隣の席に座っている人とのコソコソ話から生まれるアイデアが重要なのだと某脚本家の先生が仰っていたようにそのようなところから生まれるアイデアが失われるのであればそれは作品にとって損失と言えるのではないでしょうか。今までの当たり前ができない大変厳しい状況の中でも作品作りに全力で取り組んで素晴らしい作品を生み出してくれた現場の皆さんに感謝をしつつ、この状況が1日でも早く正常化して今までのよう作品作りができる日常が帰ってくることを願いたいと思います。


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話数単位で選ぶ、2019年TVアニメ10選

2019.12.31 Tue
2012年から続けて8年目の毎年恒例企画です.

ルール
・2019年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

BanG Dream! 2nd Season 第13話「キズナミュージック♪
脚本:後藤みどり
絵コンテ:柿本広大 梅津朋美 植高正典 三村厚史 
演出:浅利藤彰 
CGディレクター:三村厚史 遠藤求

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サンジゲン制作のフル3DCGになったバンドリ2ndシーズン.フル3DCGになったことによりキャラの仕草など動きの人間味が大きく増して,かつアニメ的表現をやや抑え気味な作りだったのが大きな特徴で(ハロハピ回とか例外はある),バンドリという二次元的要素のかなり強いキャラクターとまるでそこにキャラクターが実在しているかのような写実的リアルさが入り混じった独特の魅力にに溢れた作品だったのですが,その良さが集約されているのが13話(最終回)だと思います.この回はPoppin'Partyの主催ライブの1日を最初から最後まで撮影した自主制作的ドキュメンタリー番組的作りを極めて強く意識している回で,プロとは違う学生バンドの集まりであることから生まれる独特な空気,舞台裏の細かい描写1つ1つに生っぽさを感じさせてくれてとてもよいのです.そしてライブパートは5バンド全部新曲!どのバンドも凄まじい気合の入り方で今のバンドリのコンテンツの勢いがあるからこそ実現できたリソースとコンセプトの噛み合いがとても素晴らしかった.3rdシーズンも楽しみですね!

ひとりぼっちの○○生活 第5話「アルアルあるある」
脚本:花田十輝
絵コンテ:博多正寿
演出:池下博紀 宝井俊介
総作画監督:田中紀衣 小田武士
作画監督:山崎敦子 たなべようこ 今田茜
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本庄ミエルちゃんがとにかくかわいい.この回,原作でいうと12話前半→24話→46話→12話後半という全く繋がってないエピソードなんですよ.ランドセル背負ってくる回とミエル回は全然繋がってないしなんならテニス対決の回は原作だと進級後という.この3エピソードを合体させて1本の30分アニメのエピソードにまとめて再構成してくることで5話というタイミングで本庄アルちゃんが持つ魅力を最大まで引き出してくる花田十輝先生の圧倒的技量の高さを感じさせてくれる回なんじゃないかなと思います.この回に限らずどの回も原作からアニメへのエピソードの再構築や膨らませ方の美しさを感じさせてくれる作品でした.2020年の花田十輝先生の活躍にも期待しています!まだなんも作品発表されてないけど!

RobiHachi 第7話「一寸先は夢の国」
脚本:金杉弘子
絵コンテ:森脇真琴
演出:山田弘和
総作画監督:宮川知子
作画監督:竹上貴雄 大髙雄太 鐘文山 伊藤一樹 関口雅浩
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森脇さんってすげえやって唸らされる回.完全に作品乗っ取ってるもん.RobiHachiはこの回だけ森脇真琴監督作品です!「全話スタジオコメットでの監督経験者が絵コンテを切る」という裏コンセプトのあるオリジナルアニメなのですが特に森脇さんが絵コンテを切ってる7話と稲垣監督がコンテ演出をやってる8話は担当者の色がめちゃくちゃ濃く出てた印象です.特に7話は脚本の段階で森脇さんに振ること大前提で作ってたんじゃないかと.森脇さん以外がこのエピソードのコンテ切ってどうなるのかさっぱり予想がつかない.このエピドードのゲストキャラのキャラデザ&総作監が森脇監督作品常連の宮川知子さんなのもこの回の森脇監督作品っぽさを大きく引き上げてるのではないかと.

女子高生の無駄づかい 第9話「おしゃれ」
シナリオ:福田裕子
絵コンテ:二村秀樹
演出:榎本守
総作画監督:古川英樹 安田祥子
作画監督:門智昭 鷲田敏弥 斉藤千比呂 島崎望 マスケット
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女子校の残念な日常の生態系を生っぽさを含んで描くコメディ作品と女児アニメのプロ福田裕子先生の出会いは今年最大級の化学反応を生み出した…女子高生の無駄づかいの福田脚本回はそんな回の連発でした.女子無駄は作品の特徴として常に人間関係の変化があり,日常を描きながらも人と人が出会うことによる変化というのを極めて丁寧に描いている人間描写の光る作品だと思うのですが,これって根の部分でキラッとプリ☆チャンなどの女児アニメに通じてるなと思うのですよ.長年女児アニメでそういった人間描写を積み重ねてきた福田さんが持つ強みと女子無駄原作のシナジーは本当に凄まじいものがありました.特に9話の場合後半の原作から膨らませたアニオリのコーデ講座なんか完全に女児アニメのノウハウが活かされてますからね.女子無駄は女児アニメ!!福田さんに女子校作品もっと書いて欲しいなあと思ったり.実写ドラマ版も楽しみです.

ビジネスフィッシュ 第5話(第9/10話)「魚脇、泳がせ泳がされ/乙姫さんとタイな関係」
脚本:オークラ 岩崎う大 土屋亮一
CGディレクター:白石照明
監督:住田崇
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今年の個人的トレンドである”生っぽさ”が絶妙にマッチしてハマってしまった作品.アニメだから出来ることと半実写みたいな作り過多を組み合わせることから生まれる作品全体の温度感がすごい好きなんだけどこの回は30分通した構成の素晴らしさが神がかってめちゃくちゃ面白かった.キャラクターを見せる,立てる,掘るのプロセスがすごい巧いなと感じさせる作品で,8話までで各キャラの人間味(魚味)を描けてるからこそ生まれる面白さでビジネスフィッシュ最高だなって.Aパートラストのもずくちゃんの「マジなやつだ…」のトーンがとても好き

彼方のアストラ 第12話「FRIEND-SHIP」
脚本:桜井光
絵コンテ:柴田裕介 夕澄慶英! 仁昌寺義人 安藤正臣
演出:柴田裕介 仁昌寺義人
総作画監督:黒澤桂子 山本由美子
作画監督:樋口博美 張鵬 Park Ji-seung 本多弘幸 小関雅 賽藤晴香 川本由記子 鈴木春香 夕澄慶英! 山本由美子 黒澤桂子
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作品そのものの面白さはここでは割愛するとして30分かけてエピローグをじっくり丁寧に描いてくれたことがすごく嬉しかった回.ロフトイベで語られてる通り彼方のアストラって本来全13話で契約書も通ってる作品なんですよ.けど全13話だとどうしても最後収まらないとなって,普通のアニメだったらエピローグの部分がまず削られ他のドラマの部分も詰めてってなってたかもしれないところをKADOKAWAの田中翔Pは追加でもう1話分の契約書を取ってきて全14話にしてくれた.そのおかげでこんなにも素晴らしい余韻に溢れる最終回になったと考えると田中翔Pには感謝の気持ちしか無い.2018年のよりもい/あそびあそばせに続いて今年も田中翔にやられたな!って感じです.そしてあそびあそばせに続き全話全カットに絵を入れたラルケのエースアニメーター黒澤桂子さんのお仕事も要注目.後から1話増えた関係もありだいぶスケジュール的にはカツカツだったと思うのですがいち視聴者として最後まで作画,絵柄の乱れを全く気にすることなくドラマに没頭できたのも黒澤さんとおよびそれを支えてくれたラルケの方々の頑張りのおかげだと思うと感謝.おそらく2020年にはまた黒澤桂子総作画監督作品が来ると思うのですがその作品がどのような仕上がりになるか,今から楽しみです.

ナカノヒトゲノム【実況中】 第8話「GLIMPSE OF ADULTHOOD」
脚本:横手美智子
絵コンテ:岩畑剛一
演出:福多潤
総作画監督:髙橋瑞紀
作画監督:本田辰雄 高居孝伊 竹森由加 大槻南雄
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全体的にはやや低調気味だった1クールアニメでこういう回が1話だけあると嬉しくなっちゃうよね!だいたいアニオリ回らしいけどこの回は素直にとても楽しかった.バカテスやのうりんを思い出すかの大沼心カラー全開のコメディノリでバカテス世代としてはやっぱこういうの刺さるんですよね!昔からすればだいぶ丸くなったけどここ最近あまり見れてなかった大沼心監督のキレッキレギャグ演出を久々に見れてよかったです.(シリアス方面で最近キレッキレだったのは絵コンテ参戦のあかねさす少女最終回)大沼心監督の映像センスのハマる作品がもっと増えればいいんですけどなかなか難しいなあと感じるところですね.あとこの回も更屋敷ちゃんがとてもかわいかった.ナカノヒトゲノム最後まで見てた理由は半分くらい更屋敷ちゃんにある.余談ですが今年の10選はCV鬼頭明里さんキャラがかわいかった回が3つあります.

KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- 第10話「如月ルヰ プリズムの使者」
脚本:青葉譲
絵コンテ:日歩冠星
演出:徐恵眞
総作画監督:戸田さやか
作画監督:上原結花子 宋賢珠 洪仁守 鄭龍雲 文姫 山村俊了
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エピソード単体で見ると完成度が高い回は多分この回じゃないんだけどプリティーリズム・レインボーライブ補正がばりばり乗っかった結果キンプリSSSからはこの回に.プリティーリズム・レインボーライブから5年越しでプリズムワールドの真実を目にすることになるとはな…おい!菱田!てめえ!やってくれたな!!SSSがこういう形態の作品になるまでは紆余曲折あったと思うしやりたいこと全部できたのかどうかは分からないけどプリティーリズム視聴者に向けて2019年にこっち方面の話を掘り下げて見せてくれたのはなんだかんだ嬉しいんですよね~商業的には多分正しくないけど. まあ2016年から続いたKING OF PRISMシリーズも無事完結,ということで2020年の菱田正和の動向には要注目ですね!

キラッとプリ☆チャン 第85話「すずちゃんファイト!かっこいいお兄ちゃんを取り戻せ! だもん!」
脚本:雑破業
絵コンテ:大島克也
演出:大島克也
作画監修:斉藤里枝 川島尚 青木康哲 島田さとし
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キラッとプリ☆チャン2ndシーズンは本当にめちゃくちゃ面白い.リングマリィや虹ノ咲さん絡みの本筋エピソードがすごく丁寧で筐体サイドとの設定合わせもハマっててまさに絶好調,なのですがあえて本筋からやや外れた1話完結のこの回を選びたいと思います.本筋がめちゃくちゃ面白くてもなおこういう単発回の濃さがプリチャンの魅力の1つなんじゃないでしょうか.アニメ誌で予告あらすじ見たときからやべえだろこの回と思って期待してみたら見事にミスリードを食らったわけですが.まさに予想は裏切り期待は裏切らない出来で最高でした.この回はサンライズの制作出身で京極派の新人演出大島克也さんの仕事に注目して見たいですね.プリチャンではこの回が3回目の担当回,偶然か全て雑破業先生脚本回であんま本筋に絡まない回なのですがどの回も凝ったレイアウトが多かったり作画演技が良かったりいつも以上にテンポ進行が気持ちよかったり.流石京極派だなと思わされる仕事っぷりで素晴らしい.あと博史池畠監督自身新人時代川口監督作品などで自由に暴れてた経験のある演出家なのでこういう新人演出家にのびのび自由にさせる回みたいなのは結構好きなんじゃないでしょうか?安藤尚也さんに並ぶ大物に将来なると思うのでみなさんも今後の大島克也さんの仕事に要注目だ!

Re:ステージ! ドリームデイズ♪ 第7話「先輩とはいえ少し黙らせるべきか」
脚本:冨田頼子
絵コンテ:中嶋清人 香川豊
演出:中嶋清人
総作画監督:谷口元浩
作画監督:牛島希 鞠野黄
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今年一番自分の中で評価の上がったアニメ脚本家は誰かと問われたら迷わず冨田頼子さんと答えますね!リステDDもプリチャンも担当回が放送されるたびにこの話の構成すごいな~って毎度唸らされた.冨田さんの脚本の持ち味である1話の中での大胆な構成,2人の人間関係の丁寧な描き方,掛け合いの楽しさ等々の魅力が詰まったのがこの話だと思います.リステDDだと9話12話とレベルが高すぎるので正直順位つけられないんだけど7話は初ライブの節目で起こったドラマをここまで鮮やかに描ききってるところに素晴らしさを感じさせてくれました.まなさゆとかまりすずとか,独特のウェットさを含む女女の関係を描かせると本当に上手いと思うんですよ冨田さん.この2組の関係性付けは冨田さんが結構な割合を担ってるんじゃないかと思います.2020年は冨田さん構成でそういう得意分野を活かしたようなオリジナルアニメが見たい.

振り返ってみると今年は夏アニメが飛び抜けた大豊作クールだった印象です.色々あった夏ですが夏アニメが楽しい作品ばっかだったところで救われた面もあるなと.今回入れることが出来なかったですがアニメイズムの2作なんかもすごく楽しかったですし.上でも少し書いてるけど今年は去年から続く個人的なトレンドとしてちょっとした「生っぽさ」を含む作品が刺さる率が上がりました.生っぽさってのは必ずしもリアル志向って意味でもないのですが.全体の傾向を見ても数年前に比べるとそういう作品はちょっと増えつつある傾向にあるのかな?2020年も楽しめる作品が多ければ嬉しいですね!


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彼方のアストラスタッフトークイベント「スタッフ班キャンプ日誌」覚え書き

2019.09.24 Tue
彼方のアストラスタッフトークショーイベント
「スタッフ班キャンプ日誌」に参加してきました!

去年参加した似たような某あそびあそばせのイベントはオフレコ話ばっかで
誰が登壇したかさえ記憶を抹消させられたのですが
今回は特にそういうのはないようなので覚え書きとしてですがこんなこと言ってたな-てのを書きたいと思います

このシーンの演出意図はこうであるみたいな話も結構あったのですがそれよりは現場で制作中こんなエピソードがあった
という話を中心に書いていきます。
本当に覚え書きなので順番もテキトーで発言者も適当なのでちゃんとしたイベントレポ-トではないですが
この作品のバックグラウンドのドラマの面白さが少しでも伝われば嬉しいです!

登壇者
安藤正臣(監督)
柴田裕介(助監督)
海法紀光(シリーズ構成)
黒澤桂子(キャラクターデザイン)
比嘉勇二(アニメーションプロデューサー)


キャラ紹介...紹介とともに各キャラクターや声優さんに関するエピソードを振り返る

キトリー役の黒沢ともよさんについて
毎回演出の意図したものと全く違う角度から攻めてくる(いい意味で)演出殺し
演技の凄まじさに音響監督が「まじか...」と崩れ落ちたらしい

ルカについて
ルカの胸の描写は6話までは意図的に抑えてる 原画の人がそれを描いてくるので削るのが大変だったby黒澤さん
それ以降は黒澤さんの気分で女の子っぽいシーンでは描いてる

ウルガ-役の内山さんについて
役にハマってた 本人がウルガーみたいなかっこよさがある
現場で早見沙織さんの誕生日をサプライズで祝うことがあったとき黒沢ともよが大暴れして準備してる中
内山さんはずっと台本読んで練習してた。そんで早見さんが登場した瞬間立ち上がり祝ってまたすぐ戻ったらしい。
さらざんまいと役が被ったのは完全な偶然 見て驚いた 内山さんはああ言うキャラが向いている

フニ役の木野さん
一番安定感があった 泣き演技や7年後もすごかった。

ユンファ役の早見沙織さん
4話までは作画も意図的にブサイク気味に描いてる。
演技も同様だが早見さんの演技が美人オーラを出しすぎてるのでリテイクが入った。
歌はどちらも絵コンテが先で尺に合わせて曲を作るという形式だった。
歌の収録に行ったけど一番最初の練習から完璧だった。それが練習を重ねるとさらに完璧になる。すごい。

カナタ役の細谷さん
他のキャストはみんな原作を読んでる中細谷さんだけあえて原作未読で挑んだ。
そのためアフレコ現場ではネタバレ防止でスタッフが気を遣う謎の状態に

(他のインタビューで言及されてる通り)今作はオーディションを行っていない
みんな脳内で誰の声で読んでた?と聞き各々好き勝手言うスタイルのキャスティング会議だった。
監督やプロデューサーの過去作の声優が多め
→限られたアフレコの時間の中で上手いものが録れないと台無しになってしまう
そのためにはこの人にこういうのを振ればこういうのが返ってくるというのが分かってたほうがいい
なので今作はそういうキャスティングにした。(やや要約)
親のキャスティングは「今作が10年前ならこのキャスティングだった」的コンセプトが入ってる

7話のシャルスの「どうしてまた家族が」はもともとカット予定だったがアフレコ時に島崎信長さんが
「このセリフは絶対必要!」と訴えてとりあえず収録だけすることに
その期待に答えて色々ありなんとか復活させた

スーツのデザインは原作ママだと全身タイツみたいになってしまいかっこ悪いので首周りに改良を加えた
(それに関連して)見る人を選ぶ作品にしたくなかったのでスーツのデザインのエロさを抑えてるし
乳揺れ的表現は意図的にあんま入れてない。
ユンファのデザインがムチムチしすぎていると監督がリテイク出したが黒澤さんが描きたいからという理由でそのままになった。

OPEDについて
OPED両方カットすると尺が3分増える だからって予算は増えない そして現場の負担は上がる
なので現場としては決してやりたいわけではない けど面白さ重視で頑張った
監督「OPEDのアーティストさんには本当に申し訳ない 打ち上げで刺されるかも」

構成について
最初は全13話のつもりだった。契約書も全13話で正式に結んでいる。
しかし9話くらいまで本読みが進んだところで「これ収まらなくね…?」となった
半分冗談で(?)最終回も1時間にできないかと言ったらKADOKAWAの田中Pからできますよと言われ
追加で1話分の契約書を取ってきてそんなのできるの!?ってなった 田中さんだからできるのかも
そのタイミングが結構後だったので現場は地獄 最終回はラルケ史上最もやばいスケジュールになった
ちなみに最終回1時間にならなかったらエピローグは幽遊白書メソッドで
ウルガーが後日談をこんなことがあったと駆け足で語るエンドになってたかも
本読みで後日談を広げたいという話が出ていくつかエピソードを追加した

ちなみに最初に海法さんに「とりあえず尺を考えないで構成案出してください」と言ったら全18話になった
「それはそうと全13話で構成よろしくおねがいします」と無茶振りされる

アニメ化の話が出たのは4巻発売の1ヶ月前くらいだった 当時は刺客もわからない状態
アニメのオンエアは色々あって前倒しになったらしい
アニメ化進行中に漫画大賞受賞したので驚いた いろいろできすぎてる
最終回放送のタイミングでアド・アストラが上映されるのもできすぎてる!
最終回放送直前にSFで燃えたのも含めて全部陰謀なのでは

1話は本読みの段階で1時間スペシャルが決まってたのでそれ前提の構成
1話でこの作品の目的を示したいというところから手つなぎのシーンが生まれた
原作ママだと帰還方法を全部アリエスが考えたことになってしまうので”みんなで”がほしかった

(このへんから記事を書いてる最中に本編見ながら話を思い出してるので話した順番はバラバラだけど語られた話)

ヘルメット同士を接触させて会話するのはガンダムのオマージュ

手つなぎは脚本からあったがカナタに手を伸ばすのがシャルス(11話で活きてくる)なのは絵コンテで追加

宇宙の色は地球近くが黒 アストラに近づくほどに青くなる その他話によって色々変えてる
監督「宇宙の色をピンクにしたいんですけど」P「頭おかしくなったかと思った」

黒澤さんが描くとき大変だったのは
アリエス「常にかわいく描くのを意識しなきゃいけない」
シャルス「常にかっこよく描くのを意識しなきゃいけない」
逆にフニは描きやすかった「意識せずとも可愛くなる」

キトリーの髪型は難しい
ヘルメット装着時にキトリーの髪がどうなるかについて黒澤さんがめちゃくちゃこだわった
デザイン変更案もあったが黒澤さんが会議に乗り込んで「こういうギミックで収納するんです!」と力説
収納シーンは黒澤さんが自分で原画も描いてるらしい この人しか描けないから

アリエスの笑い声は通常Verと原作Verの両方収録した
原作Ver収録すると言ったら水瀬いのりさんに困惑されたけど無茶振りに答えてくれた
そのタイミングで島崎信長さんが俺もやることになるんだなと察したらしい

効果音や宇宙の音は音響効果奥田さんのこだわりがすごい
音響現場で奥田さんとSF談義が始まる これはどういう原理でこうなってるんだって話が延々続くめんどくさい人
その話の結果によって音付けがされる
奥田さんが色々仕込んだネタを音響監督飯田さんが却下する流れがお約束 それが面白い

OP映像は松根さんが原作を読んで仕上げてくれたけどそのせいでアニメでカットされたけんけんぱのシーンが入ってる
松根さんはアニメでそのシーンがカットされてることを知らなかったので申し訳ないことをした(笑)
ラルケの作品ロゴは作品によって色が変わる 会社のロゴじゃないから好き勝手できる

6話の回想シーンに警部が映ってるのは監督案で1週間前に追加になった

11話でシャルスの後ろに柱みたいのを置いたり断崖絶壁にいたりするのは演出意図がある
監督「そんな感じでオブジェクトをみんな舞台装置にしたい」

12話のスケジュールは戦後最大にやばかった リテイクする箇所も大量にあるし飛んだカットもある
12話のニュースのテキストは海法さんが無茶振りされ1週間で考えた ユーザー名は全部SF作家が元ネタらしい

ED原画を担当されてた方が篠原先生の大ファンでネタを大量に仕込んでくる
同じ現場で仕事してるのになぜかその人からファンレターが送られてきた
EDの写真は撮影者が誰なのかを全部意識している。

ED担当してる安月名莉子さんが登場
EDの弾き語りを披露 素晴らしかった
監督「そのギターで俺を殴ってくれ」
監督が謝罪して安月名さんが困惑する流れを5回くらい繰り返してた気がする



他にも参考にした映画の話とかめちゃくちゃ色々話してたけどこうやって書き出してみると
話の内容の3割も書けないなー イベントレポートって難しい

今回イベントに参加して彼方のアストラが監督、脚本、プロデューサー、総作監
さらに各話演出、作画を始めとした数多くのスタッフの強いこだわりによって実現された素晴らしい作品である
と改めて認識することができました。あそびあそばせのイベントでも思ったのですが特に黒澤桂子さんがすごくタフな方なんですよね。
全話全カットの作画について統括してこの作品の画面水準の高さを保ってる。アストラの作画綺麗だねー!となったとき一番の功労者は
間違いなく黒澤さんだと思います。本当にこの人はすごい。次回作も期待したいです。

今回のイベントは本当に楽しかったです。自分の楽しんだ作品についてスタッフが3時間ひたすら作品の裏話を語る、
こんな楽しいことは他にないですよ。ロフトイベントという形式にこだわりはないですがこういうイベントは積極的に開催してほしいですね!


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