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「エーデルローズ、ミュージック レディースパーキング!」の元ネタについて探ってみた!

2019.05.05 Sun
みなさんこんにちは。
現在TVアニメも放送中なKING OF PRISMシリーズ(キンプリ)では「エーデルローズ! ミュージック レディースパーキング!」という掛け声が登場します。

IMG_0061.png 

これには元ネタが存在すると言われていて、一般的に(?)元ネタとして挙げられる作品が
プリティーリズム・オーロラドリーム」と
ラブライブ!」です。
プリティーリズム・オーロラドリームでは「MARs!ミュージック レディースパーキング!」という掛け声が登場し
ラブライブ!では「μ's ミュージックスタート!」という掛け声が登場します。

先に書いてしまうとキンプリの掛け声はこの2つが持つ要素をミックスしたものなのですが、ではそれぞれどの要素がどのタイミングで登場したものなのか(どちらが先なのか?)について今回は時系列を追いながら調べてみました。

まずこの2つの掛け声そのものは一体いつ出てきたものなのかについてを調べてみました。

漁ったところMARsの方の初出はプリティーリズム・オーロラドリームの第35話「MARsドリームライブ!」で間違いないようです。オンエア日でいうと2011年12月3日ですね。

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一方μ'sの場合、掛け声そのものの初出として確認できたのが「μ's First LoveLive!」で、これは2012年2月19日に開催されたものです。



時期としてはかなり近いですね。一応ラブライブのほうが後ではありますが、この2作品で似た掛け声が生まれたこと自体は偶然なのではないかなと思います。

ちなみに調べてたらプリティーリズム・オーロラドリームの51話放送時にはこの2つの類似性を指摘している方がいました。尊敬します。
これらより、○○、ミュージック レディースパーキング!という掛け声そのものの元ネタはプリティーリズム・オーロラドリームと考えていいと思います。

そしてこの掛け声には特徴があります。その1つが掛け声の前に「1!,2!,3!,4!,5!,6!,7!」と数字で点呼をすることです。

プリティーリズム・オーロラドリーム第35話では「みおん!、あいら!、りずむ!、MARs ミュージック レディースパーキング!」と掛け声をしています。数字ではなく名前の点呼ですね。

一方でラブライブ!の場合前出の「μ's First LoveLive!」では点呼は確認できません。
点呼の初出はおそらくTVアニメ版ラブライブ!1期の第3話になります。

この話の作中では

ことり「でも、こういう時、なんて言えばいいのかな?」
穂乃果「μ's、ファイトオー!」
海未「それでは運動部みたいですよ。」
穂乃果「だよね...。...あ、思い出した。番号言うんだよ、みんなで。」
ことり「面白そう!」
穂乃果「よーし、じゃあ行くよ!」
穂乃果「1!」ことり「2!」海未「3!」

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このような掛け合いがあり、以後ラブライブ!ではライブの前にこの点呼を行う場面がちょくちょく出てきます。
代表的なのは1期13話「μ's ミュージックスタート!」や2期12話「ラストライブ」ですね。
ちなみに2期12話は菱田正和監督絵コンテ回だったりします。

また、この点呼と掛け声が合わさった「1!,2!,3!,4!,5!,6!,7!,8!,9! μ's ミュージックスタート!」という1つのまとまった流れの初出は多分2期12話...だと思うのですがこれはもしかしたら違うかもしれないです。

これらより、数字の点呼の元ネタはラブライブ!と言っていいと思います。プリティーリズム・オーロラドリームに合わせるなら名前の点呼になりますからね。

そしてもう1つの特徴がこのピース合わせで星を作るポーズです。

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プリティーリズム・オーロラドリームではこのときのポーズは手のひら重ねのポーズで星は作っていません。
IMG_0060.png 

一方ラブライブ!は歴史をたどるとなんとプリティーリズム・オーロラドリームよりはるか前の2009年発売のμ's1stシングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」のMV中にこのピース合わせのポーズを取っているカットが一瞬だけですが出てきます。

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もちろんこのMVの演出は京極監督の担当です。余談ですがこのMVはプリティーシリーズのCGディレクターでおなじみの乙部さんも参加しています。

このシーンからの発展?でTVアニメ1期13話「μ's ミュージックスタート!」では点呼の際にこのポーズを取っていてこれも以後点呼シーンでの定番になります。

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これよりピース合わせポーズの元ネタもラブライブ!と考えていいのではないでしょうか。ただ、ラブライブ!とキンプリには大きな違いがあり、ラブライブ!の場合星型を作ってから点呼を開始するのに対してキンプリでは点呼の際に1人ずつ腕を伸ばし最後に星型が完成するという流れになっています。(これの意味の考察は他の人に任せる)

結論を書くと

プリティーリズム・オーロラドリーム由来のもの
・○○、ミュージック、レディースパーキング!という掛け声

ラブライブ!由来のもの
・1,2,3…という点呼
・ピースサインを合わせて星型を作るポーズ

となります。この2作品を合わせたポーズが○○○○○○○○(ネタバレ回避)の掛け声になっていることには大きな意味があるのではないかなと僕は思います。プリティーリズム・オーロラドリームは言わずとしれたプリティーシリーズの1作目で、ここで確立されたプリティーリズムらしさというのはキンプリで今に至るまで引き継がれているものでありこの作品なしにキンプリは1000%存在し得ません。

そして、ラブライブ!はプリズムショー演出を担当している京極尚彦監督の代表作と言ってもいい作品です。京極尚彦監督がプリズムショーに与えた影響というのは極めて大きくて、オーロラドリームとレインボーライブではほぼ全てのショーのダンス映像およびプリズムジャンプの映像演出を担当していてアニメーション作品「プリティーリズム」が持つ独特のプリズムショー観というのは京極監督がいたから作り上げられたものと言っていいでしょう。彼がもし参加していなかったらまた、キンプリという作品は存在し得なかったと思っています。

余談ですが一条シンくんのモデルになっているのは若い頃の京極監督だそうです。

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この掛け声には「キンプリ」がここまで来れたのはオーロラドリームという作品があったから、そして京極監督がいたからという菱田監督らしい周囲への感謝の思いが詰まっているのではないかと思います。



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「ひとりぼっちの○○生活」 原作とアニメの違いをまとめてみた! (第3話)

2019.05.03 Fri
みなさんこんにちは。春アニメは「ひとりぼっちの○○生活」という作品がとても面白くて最近すっかりハマっています。「三ツ星カラーズ」と同じカツヲ先生原作なのですがカラーズともまた違ったテイストでゆったりした絶妙なテンポがクセになりキャラもみんないい感じで毎回「良さ」を積み重ねていってる感じです。ややクセもある作品ですがもしまだ未チェックという人がいればぜひ!



先月Kindleで原作が3割引きセールをやってたので僕も4巻まで購入してアニメ化済みの部分だけ読んでみたのですが(ネタバレが嫌なので)これがびっくりするくらいアニメと原作でぜんぜん違うんですよ。

別に原作レイプしているとかそういう話ではなく、この作品は4コママンガなのですが4コマの作品を30分アニメのフィルムとして映像化するにあたって原作の良さをアニメで最も引き出すためにはどうしたらいいのか?という事を深く考えた上での改変が凄くハマっているなと僕は思いました。

それは1本のストーリーで繋げるための順序の組み換えだったり、4コマと4コマを繋ぐ補完だったり、4コマ内でもキャラクターをより深めるためのアニオリだったり...
さすが「生徒会の一存」第1話でメディアの違いを理解せよ!という格言を提示した花田十輝先生脚本作品だなと感じさせます。(この格言を誰が考えたかは知りませんが)

ということでアニメ第3話「つたわる空回り」を利用して原作とアニメではここが違う!と思った点を箇条書きメモ形式ですがまとめてみました。
なぜ3話か?というのは深い理由はないですがこの話は特に再構成が美しいなと感じます。

この話は原作だと
ぼっちその6 本庄さんと下校する話
ぼっちその7 なこがぼっちの家に行く話
ぼっちその8 ぼっちが学校休む話(+先生の話)

の3本を再構築して作られているのですが

7話→8話は原作でもある程度繋がっているけど6話→7話は原作だと完全独立したお話なんですね。
この3本を大幅に組み替えて1本のストーリーを作り、更にアニオリを要素を大量に追加して作られているのがこのお話なのですがこの改変はたぶん重要だな!と思ったものを箇条書きでまとめてみました。

本編映像と照らし合わせなが見ればだいたい分かるように書いてるつもりです。

ちなみに、会話の言い回しの変更などはほぼ全てのシーンで行われているので羅列していたらあまりにキリがないのであまり重要でないと思ったものは省略しています。
(それらの中には漫画だと問題ないけどアニメとしてしゃべると微妙に語呂が悪い言い回しの変更なども含まれててそこも上手いな~と思ったりするのですが)

・アバンは8話の冒頭のエピソードを移動して持ってきている

・Aパートは基本6話の話
・ぼっち「友だちになればずっと一緒にいられると...」 原作だとセリフのみだけどアニメではノートに書いてる(よってノート書いてる場合か!もアニオリ)
・アル「じゃあまた放課後ね」の後のアル「ひとりさ...じゃなくてぼっち!」はアニオリ
・なこの号令のシーンは原作のどこにも多分無い(これによって原作だと8話のみの先生の話が全編に分散している)
・アル「じゃあいつも気絶しちゃうの?」から始まる会話はアニオリ 原作では下校シーン最初の会話がアメの話
・アメをもらったアルの「なこ^~」はアニオリ
・ぼっち「なこちゃんと本庄さんと一緒ならいくら遅くなっても...」のあたりからの家に誘う話はすべてアニオリ(これが7話への前振りになってることで本来別の6話と7話が1本になってる)
・ぼっちがアルちゃんを名前で呼ぶシーンは原作から大規模拡張されてる
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・Bパートは7話+8話
・原作だと元々なこだけが家に来ることになってた(のでこのぼっち家パートに出てくるアルちゃん絡みの会話ははほぼオリジナル)
原作だと服を買いに行く件のあとの4コマでのみ登場するが逆にここはアニメではカットされている
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・約束の時間云々の話は全てアニオリ原作では時間の話は出てこない
・メガネをアピールするなこ 原作「今日私メガネなんだけど」 アニメ「今日の私なにか違うと思わないか?」
・8話冒頭はアバンに回したので7話ラストから8話途中に繋がる

・朝の学校での「忘れていませんか ぼっちです」とメールを受け取るのはオリジナル(原作では受け取らない)
・「新しい友達」が出てくる家で寝込むぼっちは原作だと普通にぼっちの家のシーンとして描かれているのがアニメだとなこの想像に変わってる
・まさかそんなこと...→ぼっちから連絡をもらうアルも当然アニオリ
・原作ではなこは先生にノートを渡さない
・先生「怖い人苦手なんです~」なこ「こわくないですよ」のシーンは原作だと登校シーンであるのがアニメでは移動してる
・「私そんな怖く見えるか?」~残念なものか!!は原作だと朝のシーンだけど放課後に移動してる
・原作では「話しかけんなオーラか~」のあたりから放課後
・アルがアメを取るあたりからメールを受け取るまでのなことアルの掛け合いは全てアニオリ
原作だと1コマ目からアメ舐めてる
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・このタイミングで2人がぼっちからもらうメールの文面は「私のこと忘れないで下さい」のみだけどアニメでは大幅に変更されてる
・ちなみに納豆の話はアニオリではなく原作の単行本おまけページにあるものを引っ張ってきてる
・アル「誰が残念お前言うな~」で混ざるのはアニオリ(原作では誰が残念か~のみ)
・一度降りてきた後また戻って勝負服に着替えるのもアニオリ(7話の要素の回収になってる)
・ラストのなこ「残念だからな」「誰が残念かーーーー」はアニオリ(原作はそうですか退屈でしたかで〆)

こうやってまとめてみるとアルちゃん関連が特に多い印象を受けます。4話でも同様の追加が結構あって、アルちゃんのキャラを際立たせたいという意図が感じられます。

個人的には一番最後の残念掛け合いの追加が好きですね。これが追加されることでアルちゃんの残念ツッコミキャラがより立つと同時に、映像的にはそれを見て微笑むぼっちで〆なんですがこれがAパートのなことアルの仲が良いのか悪いのかみたいなシーンともリンクするんですよね、これもまた原作だと別エピソードなものを繋ぐ役割を果たしているので構成としてとても美しいなあと思います。

これ以外にも色々あるんですがほんと羅列してるとキリがなさすぎるので...興味のある人は是非原作を買って読んでみてください!原作が不完全とかそういう話ではまったくなく原作は4コマの作品としてとても面白いので!漫画ならではの味があるコマも多くてたのしいです。
ep3-4.png 
こんな感じでアニメと読み比べていくのもめちゃくちゃ楽しいです!

半分くらい自分用メモなんですが気が向いたら他の話もやるかもしれません。


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