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話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

2020.12.31 Thu
今年で9年目の毎年恒例企画です.

ルール
・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!! 第4話 「No problem!!」
シナリオ:渡邊大輔
絵コンテ:名村英敏
演出:山本貴則
総作画監督:伊藤晋之
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2020年最強の女女アニメと名高い名作ですが個人的には頭抜けてこの話が好き。普通になりたい少女と特別になりたい少女の話、友達とは一体何か、秘密のノートから始まる秘密の共有…うーんこういうの大好き!!!!(語彙不足)最初から最後まで会話の掛け合いのセンスが秀逸で良さに溢れてるんですよこの回。デルミンユフユ回ですがましゅまいメンバー4人全員の魅力が詰まりまくってて最高ですよね。自宅のドアを壊されたマシマヒメコさんも好き。話を通して4人の解像感が一気に高まった回なんじゃないかなと思います。この話に対する好きはどこ由来かって考えると多分花田十輝脚本作品だと思うんですよ。表に出てくる花田十輝脚本作品のない2020年でしたがましゅまいの特に渡邊大輔脚本回はJUKKI指数が高くてとてもよかったですね。

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~ 第7話 「かぐや様は脱がせたい」「かぐや様は出させたい」「白銀御行は読ませたい」「かぐや様♡アクアリウム」
脚本:菅原雪絵
絵コンテ・演出:池田愛彩
総作画監督:針場裕子
少女漫画脳パートキャラクターデザイン・総作画監督:安田京弘
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1期の頃はちゃんと見てなかったけど2期最初流し見してたら何これめっちゃ出来いいじゃんと1期見返し&原作まで買ってしまった今作。全般がブラッシュアップされてめちゃくちゃ高水準だった第2期ですがひたすらギャグに振り切った勢いの良さが光りまくってたこの回を選びたいと思います。第6話でいい感じの流れで伊井野ミコが生徒会加入した次の回に3連続でミコがドン引きするオチのギャグ話を3つ並べる構成が綺麗でいいですよね。ほぼ引いてるだけだけどミコの新しい面が見れてこのへん原作からいじってるので上手いと思います。この話に限らずですが画面がすごい端正で綺麗で、けど中身は割としょうもないというのがいい。Dパートの少女漫画脳パートも専用楽曲用意してキャラデザも変えて全力でやっている感じがしてとてもいい。A-1 Picturesかぐや様班のこの原作を最高のアニメにしようという現場の士気と愛の高さが伝わってきます。ちなみに僕個人の2020年このアニメの画作り(キャラデ作画色彩美術撮影)が理想はかぐや様2期です。3期も既に決定していて楽しみですね!

恋する小惑星 第4話 「わくわく!夏合宿!」
脚本:平牧大輔
絵コンテ:平牧大輔
演出:由井翠
総作画監督:山崎淳
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これが全話できてたら2020年最強アニメーションだったまである。やっぱ真面目系文化部アニメは最高だな!
夏合宿を経て新たな経験をするメンバーたち、新たな夢を見つけるイノちゃん、全てがエモーショナルにキマってて最高。実写加工素材を利用した実在施設の描かれ方もよかったですね。
恋アスという作品全体を見ると特に後半構成が駆け足すぎるとかきらら的ノリが邪魔とか個人的には結構イマイチに感じてしまう点があり惜しいというのが感想なのですがこの回は1話の中での構成も綺麗にまとまってて文句なしに好きですね。こういうアニメが見たかった。

群れなせ!シートン学園 第8話 「海の吟遊詩人 -カナとルカの話-」
脚本:福田裕子
絵コンテ:信田ユウ 
演出:大島克也
総作画監督:酒井孝裕
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「女子高生の無駄づかい」に続き大人向け作品での福田裕子脚本最高だな!枠。
1話の中でメインキャラ(料理部)とゲストキャラであるシロイルカである白海カナとの出会い、そこにある課題提示と解決までのドラマの描かれ方がとても綺麗で福田裕子さんの女児アニメでの女の子の人間ドラマの経験豊富さが遺憾なく発揮されていてその噛み合い方がとても気持ちいい。後半のメロン体交響曲に合わせたショーパートの映像の華やかさも素晴らしく鮮やかで圧巻の映像でのカタルシスの描き方はアイドルアニメのそれにも近かったかなと。プリの福田脚本にはクドさを感じがちな最近ですがこういう感じの福田脚本はやはり最高。演出の大島克也さんの仕事は今後も注目したいです。

ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第7話 「ハルカカナタ」
脚本:平林佐和子 
絵コンテ:河原龍太 
演出:尾上皓紀 
ダンスパート絵コンテ・演出・作画監督:中山直哉
総作画監督:横田拓己、冨岡寛、渡邊敬介
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最終回が最高のその先に行ってることは言うまでもないので個人エピソードとして一番好きなこの回を。脚本担当の平林さんは11話の脚本も担当されているですが展開のアクセルの踏み方がシリーズ構成の田中仁脚本と違って面白いと思うんですよね。えっこんな踏み込んだ展開になるのまじか!?っていう。近江彼方さんの6話までの描かれ方ってよく寝てるまったりキャラ以上を見せることはほとんどなかったので個人回も何やるんだろうなーって思ってたのですが7話はまず冒頭から校外でのバイトや家での様子などでそれまでの話数との「ギャップ」が強く描かれててまずここで衝撃を受けるんですよね。そして6話までギャグ的処理をされていたよく寝ている背景にあった実は重い背景事情がここで初めて明かされる。その衝撃が冷めないまま遥とのすれ違いが描かれ状況の深刻さがどんどん増していくシナリオの攻め具合が「虹ヶ咲」全体が持つカラッとした雰囲気と違っていてとても印象的なんですよね。そしてダンスパート「Butterfly」がお見事!中山直哉さんによる劇エモ演出はシネスコの利用、平面的カット構成など他の回のダンスパートと全くアプローチが違いここでも異質さが出てるんですよね。この曲に中山直哉さんを起用しようと言い出した人のセンスが良すぎてびっくりする。虹ヶ咲に総じて言えることとしてこのへんのセンスの良さが異常にいい。この回で見せようとした「近江彼方」があらゆる面でとても綺麗にキマっていて良かったですね。天晴!

波よ聞いてくれ 第12話 「あなたに届けたい」
脚本:米村正二
絵コンテ・演出:南川達馬
作画監督:岡﨑洋美、粕川みゆき、神谷美也子、高橋あやこ、徳永竜志、冨吉幸希、久松沙紀、吉田雄一、吉山隆士
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「ラジオ」を題材にしたアニメとしてここまで完璧な最終回があっていいのか!!!2018年秋にこの作品の舞台となっている北海道で実際に発生した胆振東部地震をモデルに物語が描かれているんですがこのアニメの制作初期って多分18年秋より前だと思うんですよ。つまり初期案の最終回はおそらくまた違う形だった。制作の途中に舞台で発生した大災害、そこでラジオという媒体を描く作品で何を表現するのか、触れるとしても安易に描くことは当然出来ないわけで描写することへの大きな「覚悟」が感じられました。そして災害発生時においてラジオの役割とは何なのか?純粋に情報を発信することなのか?という問に対する回答の出し方がすごくいいんですよ。ぜひ見てその良さを感じでほしいです。お見事!
余談:「波よ聞いてくれ」って「虹ヶ咲」と同じサンライズ第2スタジオ制作なんですが「虹」の全てが最終回ラストの挿入歌パートに詰まっているように「波」も作品の全てが最終回ラストの挿入歌パートに詰まっていたと思います。1クールでもこうやって最後の余韻を大事にしてくれる作品は大好きです。

ミュークルドリーミー 第10話 「雨ふりねぶそくゆめちゃん」
脚本:今千秋、稲葉央明
絵コンテ・演出:髙木啓明
総作画監督:藤井昌宏
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ミュークルドリーミーから1話選ぶのって無理だと思うんですよ、レベル高すぎて。特に神回と言われやすいのは第28話「まいらマイラブ♡」な印象でやはり大変素晴らしい回なのですがここはあえてミュークルドリーミーの中でもちょっと異質でかつめちゃくちゃ出来の良いこの回を選んでみたいと思います。この回の特徴はまず企画協力としてクレジットされている今千秋監督が脚本に参加している点があります。その影響か全体を通してコメディテイストの強いこの作品の中でもちょっといつもと違う学園ラブコメの雰囲気が随所に出ている回でもあります。特に本編ラストのゆめと朝陽のシーンなんかは他の回じゃ見れない雰囲気が出てて印象的です。みなさん御存知の通り(?)ミュークルドリーミーは途中まで今千秋監督作品として制作が進んでいて途中から桜井弘明監督に交代した(以後関わってないというわけではなさそう)経緯があるのですがもし今千秋監督体制で進んでいたらこんな感じの回がもっと見れたのかなとミュークルドリーミーifに思いを馳せながら見てしまいます。絵コンテ・演出を髙木啓明さんが担当しているのもまた「ちょっといつもと違う雰囲気」を出していると思います。ベテラン勢が多いミュークルの中でも髙木さんは数少ない若手演出家の1人で、若手だからこその攻めた凝った作りこまれたカットが多いのも特徴です。名探偵コナン演出界隈では既に有名人らしい!髙木啓明さんの今後の仕事にも注目していきたいです。

イエスタデイをうたって 第6話 「ユズハラという女」
脚本:田中仁
絵コンテ:田中雄一
演出:藤原佳幸、金成旻
総作画監督:吉川真帆
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話の雰囲気がすごい好き。(語彙消滅)ユズハラという場を動かす新登場の女とヒロイン2人揃ってみんなおもしれー女だなと思った。相当リアルに寄せた雰囲気の中でどこまで雰囲気壊さず漫符的表現ができるかの限界に挑戦した藤原監督的こだわりの見える画像の修羅場カット、いいよな。

体操ザムライ 第4話 「ザムライ娘。」
脚本:安藤えりか
絵コンテ:森本育郎
演出:まついひとゆき
総作画監督:本田敬一
たいそ
体操ザムライの一番の魅力ってやっぱレイチェルというキャラクターに詰まってると思うんですよ。アニメアニメしてない感じですごいしっかりしてる小学生キャラってなかなかアニメ作品で見る機会が少ない。アニメの中で小学校がこういう描かれ方する作品も結構少ない。ホームドラマの中で出てくる学校ってのは学園ものとまた違った独特の雰囲気がありますよね。これ書いてて思ったけど「少年メイド」もこんな感じだった気がするかな。4話の一番の名シーンはレイチェルブチギレ長台詞パート、セリフの強さと本泉莉奈さんの力のこもった演技がとにかく圧巻で素晴らしい。この長台詞の力強さ「よりもい」11話も思い出す。それ以外もレイチェルの台詞1つ1つに良さがあってセンスがいい。えっ!?この話の脚本を担当された安藤えりかさんは現役のMAPPAの制作で今回が初脚本だって!?構成の村越さんのフォローもあるんだろうけどそんなの信じられんくらいよくできた話だしこの人の今後の仕事には注目したいですね!こういう作品を出してくるからMAPPAのことは嫌いになれない。

遊☆戯☆王SEVENS 第14話 「ロミン’sキッチン」
脚本:山口宏
絵コンテ・演出:いまざきいつき
総作画監督:福島勇
作画監督:長尾浩生
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体操ザムライとは逆にアニメアニメした小学生。とにかくロミンちゃんがかわいいだけの回を作ろうという尋常じゃない熱意が感じられた回。単独作監の長尾浩生さんが相当頑張ってる気がしてその熱意を買って10選入り。ロミンちゃんのキャラ作画が気合入ってたかわいかった以上の感想は多分必要ない、ツッコミどころは遊戯王SEVENSらしく大量にあってとても楽しい回です。ところで最後のカレーの海オチは山口宏脚本的にロザリオとバンパイアオマージュだと思ってるけどどうなんですかね!?

今年1年は社会全体がそうであったようにアニメ業界も新型コロナウイルスの影響を強く受けた1年だったと思います。目に見えやすい形ではTVアニメの放送延期、劇場作品の公開延期が大きいですが制作現場に与えた影響はそれ以上だと思います。アニメのアフレコ現場はブース内人数を制限して複数回に分けて別録りをすることが当たり前になったといいます。これによって特にキャラ数の多い作品ではキャラクターどうしの掛け合いを上手く演るのが相当難しくなったのではないでしょうか。そして脚本演出作画等の打ち合わせではオンライン打ち合わせが増えたと思います。これはすべてが悪いと言い切れないのですが脚本会議の現場で隣の席に座っている人とのコソコソ話から生まれるアイデアが重要なのだと某脚本家の先生が仰っていたようにそのようなところから生まれるアイデアが失われるのであればそれは作品にとって損失と言えるのではないでしょうか。今までの当たり前ができない大変厳しい状況の中でも作品作りに全力で取り組んで素晴らしい作品を生み出してくれた現場の皆さんに感謝をしつつ、この状況が1日でも早く正常化して今までのよう作品作りができる日常が帰ってくることを願いたいと思います。
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